以下にケイビングの対象となる洞窟のリストを示しています。
ケイビングの対象となる洞窟は、鍾乳石などの二次生成物が美しい、洞窟内の地形が変化に富んでいる、水流がある、ロープなどの装備を必要とするといった、「探検」して楽しい要素があり、かつ入洞届けや入洞許可などを受付ける体制が整っている洞窟か、あるいはそうした届けのいらないことが確認されている洞窟です。
多くの場合は、自治体・消防・警察・地主などへの届けや許可が必要となりますので、入洞の際は現地の管理体制を必ず確認してください。
むろん、ここに挙げた洞窟以外にも、規模は小さいがケイビングの対象となる洞窟はあります。
いくつかの地域においては、入洞の手続きに関する情報をWebページに掲載しています。
ケイビングを行うためには、入る洞窟に見合った能力と知識が要求されます。
上記洞窟情報にあげた洞窟はいずれも、相応の能力と知識が要求される洞窟であるので、
初心者だけでの入洞は、絶対に避け、経験者と共に入洞するようにしてください。
この項目では、洞窟探検に必要とされる技術の簡単な説明や紹介を行っています。
しかし、すべてについて詳しい紹介を行っていないし、
文章だけでの説明には限界があるので、
これらの文章を読んだだけでケイビングを行う事は避けてください。
この文章を読んでケイビングをして、怪我など何らかの不利益を被っても責任を負う事はできません。
実際に洞窟探検を行う場合は、近隣のケイビングクラブ、
あるいは日本洞窟学会に問い合わせて、経験者の紹介を受けて下さい。
このように書くと、ケイビングは非常に難しく危険な活動であると思われるかもしれませんが、
正しい知識と、経験者による指導の元での適切なケイビング経験があれば、
決して危険ではありません。経験者のサポートによっては軽度の身体障害者のケイビングすら可能でしょう。
過去数十年間、日本ではケイビング中の死亡例は数例しかなく、そのほとんどは、
ダイバーが行ったケイブダイビングによるものです。
それに一部の洞窟を除けば天候の影響を受けにくく、
雨や雪などで危険な状況になることは少ないのです。
これらのことは、入洞するのが難しい大きく深い洞窟が日本にあまりなく、
簡単に入洞できる短く浅い洞窟がほとんどである事も一因です。
しかし残念ながら、一部の自治体や地主などの中にはケイビングを危険な活動と考え、
禁止しようとする傾向があります。
彼らが想定し恐れているケイビングは、英語ではスペランカー(Spelunker;日本ではほとんど使われていません)と呼ばれる、
ケイビングや入洞する洞窟に必要な、
十分な知識や装備も持たずに洞窟に入る無謀な人々によるスペランキング(Spelunking)で、
ケイバーやスペレオロジストによるケイビングとは、まっったく異なります。
洞窟に対する知識や装備を持たずに入洞した初心者、未経験者の事故は、
洞窟での事故数では転落とトップを争い、この二つで半数以上を占めます。そしてまた、
スペランキングによる事故は時として死をもたらします。
特に、SRTを始めとする竪穴でのケイビングや、ケイブダイビングに関しては注意が必要です。
日本での事故事例は少ないため、海外での事故事例を参考に取りますが、
竪穴でのケイビングでは、書籍等で勉強しただけで経験者グループの助言無しに自力だけでおこなったグループや、
充分な訓練を受けていない初心者だけのグループの事故が目立ちます。
事故原因は些細な、多少の注意で防げるようなことが最も多い傾向があります。
ケイブダイビングに関してはケイブダイビングの知識を持たないダイバーは論外としても、
初心者から充分な経験を第一人者と呼ばれるような人まで事故を起こしています。
そしてその大半は死に繋がる重大な事故です。
ケイブダイビングによる死者はケイビング全体での死者の過半に近い数を占めていることを忘れてはなりません。
なお近年、テクニカルダイビング組織によってケーブダイビングの講習を、
日本国内においても始めようとする動きがあるようです。
透明度の高い泉や海底洞窟などでのケーブダイビングだけならば、
フロリダなど海外で受講できるケイブダイビングコース
(日本ではトレーニングに適した・可能な水中洞窟は無い)の能力で可能ですが、
陸上の洞口から入り、狭い、滑りやすいなどのドライケイブを移動してから潜水したり、潜水後に次の
潜水地点まで歩行が必要なサンプダイビング(洞窟の中にある水没部をダイビングすること)の場合は、
ケイブダイビングだけでなく、高いケイビングの能力を求められることも忘れてはなりません。
なお、日本では、広く透明度が高く陸上でのケイビングを必要としないような、
ケイブダイビングに適した洞窟は、ほとんど見つかっていません。