日本洞窟学会第50回大会(佐野市葛生大会)

大会プログラム

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概要

 日本洞窟学会大会第50回大会(佐野市葛生大会)は栃木県佐野市及び栃木市に所在する葛生石灰岩地域を舞台に開催されます。本地域は関東地方で秩父と並ぶ石灰岩地帯ですが、知名度が低いためか実はこれまでに大会の主催地になったことはありませんでした。既知の洞窟は小規模ですが、洞窟学の視点からは未調査未開拓な部分が多く、また現在も商業的な採掘が盛んであることから経時的に調査記録を残すことの重要性が高い地域でもあります。さらに、地域の博物学拠点として葛生化石館があり、研究成果を地域に蓄積し市民に還元する体制も整っています。学会員の皆様におかれましてはこの機会にぜひ足を運んで実物を見ていただき、今後の調査研究対象に含めていただけたら幸いです。
 今大会は昨年と同様に対面開催を主軸として一部オンラインにも対応します。学術講演会や座学での講習会に加え、洞窟学会大会の特徴でもある実地巡検・講習も開催します。

大会名称等名称:日本洞窟学会大会第50回大会(佐野市葛生大会)
主催:日本洞窟学会
後援:佐野市、佐野市教育委員会
大会組織大会長:石原与四郎(福岡大学・日本洞窟学会会長)
実行委員長: 新部一太郎(獨協医科大学)
実行委員:後藤聡、多武想太、千葉伸幸、中込幸子、藤川将之、細野誠、村野哲雄、山田努
日時2024年10月5日(土) 〜 6日(日)
会場等主会場:葛生地区公民館(葛生化石館)
巡検洞窟:高松沢鍾乳洞、水木鍾乳洞、出流鍾乳洞群(大日霊窟・不動霊窟・大師霊窟・普賢霊窟)、宇津野洞窟
現地参加オンライン参加巡検・講習会参加費
学会員(一般)6,000円500円1,000円

・入洞を伴うもののみ一人当たり
※複数の巡検に参加した場合も
学会員(学生・個人)3,000円
学会員(学生・団体)4,000円
非学会員(一般)7,000円1,000円
非学会員(学生・個人)5,000円
佐野汐周辺の地域住民0円0円
2024年
10月5日(土)
8:00〜12:00   巡検・講習1
12:00〜     受付
13:00〜16:00  開会式・一般講演1
16:00〜17:00  一般講演(オンライン)
17:00〜18:00  評議委員会
18:15      送迎バス発車
         化石館→仙水閣(ハイエース)
         佐野駅南口→仙水閣(マイクロバス))
19:00〜21:00  懇親会(仙水閣)
2024年
10月6日(日)
9:00〜11:00   一般講演2
11:00〜12:00  特別講演(公開講演)
12:00〜12:45  ポスターコアタイム
12:45〜13:00  閉会式
13:00〜17:00  巡検・講習2

※オンライン参加について、一般講演及び特別講演は配信のみで質疑応答への対応はいたしません。
※懇親会は仙水閣にて開催します。会費は一般7500円、学生4500円で現地支払いとなります。

交通アクセス

 主会場の葛生公民館は葛生駅(東武佐野線)から徒歩5分。電車は東京駅から約2時間半、JR佐野駅からは20分程度でおよそ1時間に1本の運行間隔です。車利用は羽田空港から高速利用(佐野田沼IC下車)で2時間弱です。化石館を含む公共施設駐車場に無料駐車可能です。
 化石館から懇親会会場(仙水閣)までは無料送迎バス(18:15化石館発)があります。懇親会終了後、希望者は佐野駅まで送ります。10/6の宿泊先から化石館までの移動は電車、バス、乗合せでご対応ください。

講演と巡検・講習会

一般講演

発表形式口頭講演(一部オンライン対応)とポスター講演
※プレゼン用PC(Windows11、MS-Office)は用意してありますのでUSBメモリーでデータをお持ちいただければ投影可能です。ご自身のPCを接続していただくことも可能です(HDMI接続)。
口頭公演質疑応答も含めて15分、パワーポイントまたはPDF形式
ポスター講演ポスターサイズ:最大90x180cm
 10/5のうちにメインホール後方のパネルに掲示してください
コアタイム:10/6 12:00〜12:45

特別講演

テーマ洞窟と石灰岩と化石
講演1洞窟に埋もれた過去の動物たち 〜日本の第四紀哺乳類化石〜
              中川良平(三重県総合博物館)
講演2佐野市の石灰岩と化石
              奥村よほ子(葛生化石館)

※特別講演は無料公開されます

巡検および講習会

10/5(土)
8:00~12:00
①高松沢鍾乳洞と水木鍾乳洞
②出流鍾乳洞群(大日霊窟・不動霊窟・大師霊窟・普賢霊窟)
10/6(日)
13:00~17:00
①高松沢鍾乳洞と水木鍾乳洞
②出流鍾乳洞群(大日霊窟・不動霊窟・大師霊窟・普賢霊窟)
③生物分野講習(高松沢鍾乳洞と周辺の地下浅層、水木鍾乳洞)
④洞窟測量講習(公民館会議室、入洞なし、2時間程度)
⑤化石館ツアー(スタッフによるガイドあり、1時間程度)
主な巡検洞窟①高松沢鍾乳洞
 旧葛生町にある代表的な石灰岩横穴(総延長120m・高低差約12.5m)。入洞するとすぐに洞奥からの水流(水深10~20cm)が現れ、その先は上層下層に分かれている。フローストーンやノッチ、スカラップも観察できる。
②水木鍾乳洞
 旧葛生町にある代表的な石灰岩横穴(総延長120m)。洞口の段差-2mを降りると洞奥まで平坦な通路が続き、崩落岩が多く、泥が堆積しており泥まみれになる。最奥部では水深2mのプールを見ることができる。
③大日霊窟
 出流山満願寺境内にある流出型の石灰岩横穴(総延長79.2m+・高低差23.3m+)。出流鍾乳洞群で最も空間規模が大きく、洞床はコンクリートで固められている。カーテンやフローストーンが観察でき、江戸時代の古銭が見つかることもある。
④大師霊窟
 出流山満願寺境内にある流出型の石灰岩横穴(総延長91.7m+・高低差41.7m+)。出流鍾乳洞群で最も総延長が長く、石筍やフローストーン、リムストーンが観察できる。洞窟凄生物も比較的多い。
スタッフ・巡検講師:千葉伸幸、櫻田真人、平間弦、矢島安菜、一杉琥太郎、藤田睦、塚原恭志郎、竹之内隼太郎、KINWANG CHAN、齋藤大地、北村陽大、二宮緋毬、高橋和薫
・生物分野講師:曽根信三郎・木崎裕久・新部一太郎
・洞窟測量講師:石川典彦

※巡検参加者には洞口位置図や測量図を含めた巡検手引書を別途配布予定