日本洞窟学会第49回大会(帝釈台大会)

日本洞窟学会第49回大会・帝釈台大会を2023年9月8日(金)~10日(日)に神石高原町の「総合交流センターじんせきの里」を主会場に開催します。開催地域となる帝釈台は広島県の北東部、庄原市東城町から神石郡神石高原町に広がる石灰岩を主とする台地で、一般には帝釈峡として知られています。2023年は帝釈峡が名勝に指定されて100年、国定公園に指定されて60年の節目となります。

神石高原町永野地区には広島県で最も長い洞窟である幻の鍾乳洞があります。幻の鍾乳洞は多種多様な洞窟内生成物が洞内のいたるところに存在し、その発達も著しいことから近年でも活発に研究活動が行われています。また、町おこしおよび洞窟保護の観点から地元有志により保護・管理がなされており、洞窟保護の観点からも特筆に値する洞窟です。2019年に開催された国際洞窟写真家会合の会場としても使用されており、洞窟学会とも関係の深い洞窟になります。公開講演会では幻の鍾乳洞の再発見のいきさつ、最新の調査結果に基づいた幻の鍾乳洞の学術的価値、そして世界の洞窟と比べても遜色ない鍾乳石の魅力を、洞窟学会会員だけでなく広く地域のみなさまに知って頂こうと考えております。会員のみなさまにとって今後の調査や保護活動の参考になるものと思います。

今大会は4年ぶりの対面のみでの開催を目指しているだけでなく、実に7年ぶりの夏休み期間中の開催を予定しております。学術講演会だけでなく、巡検や講習会の開催も予定しています。学生会員のみなさんにとっても実りある大会になるものと信じております。世話人一同、数多くのみなさまに帝釈台・帝釈峡でお会いできることを楽しみにしております。

日本洞窟学会第49回大会 世話人会 代表世話人 横田角光

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日本洞窟学会第49回大会・帝釈台大会報告

参加登録者数;64名
学生会員;19名
学生非会員;7名
会員;29名
非会員;9名(地元の協力者3名含む)

公開講演会参加者数;48名(上記登録者以外の人数)

9/8
幻の鍾乳洞巡検;13名(スタッフ3名含む)
SRT基礎講習;16名(講師1名含む)

9/10
幻の鍾乳洞巡検;15名(スタッフ3名、取材記者2名含む)
SRT基礎講習;4名(講師1名含む)
リーダー養成講習;10名(講師2名含む)
測量講習;17名(講師1名含む)

幻の鍾乳洞追加巡検;8名(うちスタッフ2名)

日本洞窟学会第49回大会・帝釈台大会概要

主催:日本洞窟学会
共催:ながの村自治振興会
後援:神石高原町、神石高原町教育委員会、庄原市、庄原市教育委員会、神石協働支援センター、帝釈峡観光協会

日本洞窟学会第49回大会・帝釈台大会世話人会
大会長 山田 努 (東北大学)
代表世話人 横田 角光 (山口ケイビングクラブ、帰水会)
世話人会 
       石原 与四郎 (福岡大学)
       木村  颯 (九州大学)
       藤井 雄基 (うきぐもケイビングクラブ)
       三石 伸一 (神石協働支援センター)
       宮野 元壮 (ながの村自治振興会、帝釈峡観光協会)
       横山 英揮 (元永野を考える会)
       吉村 和久 (九州大学)
       大阪公立大学学術探検部

1.開催日

  2023(令和5)年9月8日(金)~10日(日)

2.会場

公開講演会、一般講演会:総合交流センターじんせきの里(広島県神石郡神石高原町高光2117-10)

講習会、交流会:ふれあいセンターながの村(神石高原町永野2549-1)※食事は各自でご準備ください。なお、総合交流センターじんせきの里(公開講演会、一般講演会場)、ふれあいセンターながの村(講習会、交流会会場)とも施設周辺に食事場所、コンビニ等はありません。買い出しは東城(車で約20分)まで出てください。

3.参加対象者

  日本洞窟学会会員/一般(非学会員)/学生

4.日程(予定)

  9月8日(金)
  8:00~13:00 幻の鍾乳洞巡検
  9:30~12:00 SRT基礎講習
  14:00~ 開会式
  ~18:00 一般講演
  
  9月9日(土)
  9:00~12:30 一般講演
  14:00~16:30 公開講演会
  19:00~21:00 交流会

  9月10日(日)
  9:00~12:00 一般講演、閉会式
  13:00~18:00 幻の鍾乳洞巡検
  13:30~16:30 リーダー講習
  13:30~16:00 SRT基礎講習
  13:30~16:30 洞窟測量講習

5.参加費

  学生会員;5,000円、会員;6,000円、一般学生;7,000円、一般参加者;8,000円

  ※学生の方で、所属しているサークルが洞窟学会に入会している場合は、学生会員扱いとします。
  ※8/21(月)以降の申し込みは当日登録扱いとなり+1,000円申し受けます。
  
  大会参加費は、学会Webシステム会員専用ページから送金するか、もしくは下記口座に振り込んでください。
  振込の方は入金後に大会事務局もしくはoffice@speleology.jpにご連絡ください(手数料はご負担ください)。

  銀行名:ゆうちょ銀行
  店名:一六九店(イチロクキユウ店) (店番169) 
  名義人:日本洞窟学会
  預金種目:当座
  口座番号:0039375

  ※公開講演会は無料
  ※団体会員でまとめてオンライン支払をする方は申し込み後、office@speleology.jpにお知らせください。
  ※ご入金後に参加をキャンセルされた場合、ご返金いたしかねますので何卒ご了承ください。

6. 申込方法および締切等

  大会参加希望者はこちらから必要事項を記入の上、申し込みを行ってください。
  予約登録 8/20(日)まで。参加費も8/20までにお支払い下さい。

  <重要な日程>
  予約登録期間 ~8/20(日)
  予約登録入金期間 ~8/20(日)
  一般講演申込期間 ~8/20(日)
  講演要旨提出期限 ~8/27(日)
  プログラム公開予定日   9/3(日)
  交流会予約参加期限 ~8/20(日)

7.大会事務局連絡先

  ssj49taisyaku[at]gmail.com ※[at]は@に置き換えてください。

8.一般講演会

 洞窟学やケイビングに関する講演および遠征やクラブの活動に関する報告等、洞窟に関する幅広い分野の話題を募集します。申込資格および発表形式は、次のとおりです。

  申込資格:原則として、発表者が本会会員または本会入会希望者であって、本年度会費を納めていること。
      ※非学会員が共同発表者に含まれることは、差し支えありません。
  発表形式:口頭のみとし、質疑応答時間を含めて20分の予定
  日時:9/8(金)午後、9/9(土)午前、9/10(日)午前

  こちらから必要事項記入の上、8/20(日)までに申し込みを行ってください。
  講演要旨の提出締め切りは8/27(日)とします。
  プログラム委員会で要旨を確認の上、受理した講演について、8月31日(水)頃に要旨提出者に受理通知をお送りします。
  一般講演プログラムの公開予定日は9/3(日)頃を予定しています。

9.巡検・講習会

今大会では、幻の鍾乳洞巡検、講習会「安全なケイビング活動のコツ。リーダーとして身につけるべき技術」、SRT基礎講習、洞窟測量講習を実施します。

  • 参加希望者は8/20(日)までにこちらより申し込みを行ってください。
  • 講習会参加者については、保険料や消耗品代等として別途1,000円申し受けます。巡検・講習会参加費は大会当日、徴収します。
  • 宿泊希望者は、大会前日(9/7夜)から講習会場である「ふれあいセンターながの村」にシュラフ持参の方に限り提供可能です。希望者は8/20(日)までにこちらより申し込みを行ってください。
  • 畳敷きの複数の部屋に宿泊する形となります。相部屋になりますので、コロナ等感染症が気になる方はホテル等を利用してください。巡検、各講習の詳細は次の通りです。

①幻の鍾乳洞巡検

講師;木村颯

幻の鍾乳洞にあるアラゴナイトなどの洞窟鉱物を観察しながら、その成因を化学的な観点から解説する巡検を行ないます 。ヘルメット、ライト、つなぎ等横穴装備を持参してください。
なお、洞口までの山道は整備されているものの傾斜が大変厳しいので、熱中症にはくれぐれも注意してください。
(洞口まで片道約30分歩きます。標高差は約150mありますので、体力に自信のない方はご遠慮ください。)
幻の鍾乳洞巡検については洞窟保護の観点から1回につき10名までに制限します。参加希望者が多数の場合は抽選とします。抽選となった場合、抽選結果については8/27(日)までに連絡します。

  <日時>
  1回目巡検  9/8(金)
  8:00 ながの村集合
  8:30 花面公園出発
  9:00 入洞開始
  12:30 出洞完了
  13:00 花面公園着

  2回目巡検  9/10(日)
  13:00 ながの村集合
  13:30 花面公園出発
  14:00 入洞開始
  17:30 出洞完了
  18:00 花面公園着、解散

②講習会

「安全なケイビング活動のコツ。リーダーとして身につけるべき技術」講習(講師;森住貢一、中込幸子)

 合宿や活動のリーダー候補者を対象とした講習です。洞窟事故の原因、低体温症、事故にならないための準備、体制といった事前に気にかけることや搬送の難しさについての座学のほか、サバイバルテン トの作成、アッセンダー等を使った確保方法の講習を行います。

 <日時>9/10(日)13:30~16:30
 <場所>ながの村講堂(旧体育館)
 <装備>持っている人は竪穴装備(ハーネスを含めたSRT装備)

「SRT基礎」講習(講師;山西敏光)

SRTを初めて体験する人、もしくは経験はあるが基礎から学びたい人を対象とした講習です。SRT装備について、アッセント、ディッセントの基本、チェンジオーバーその他SRTの基本的な講習を行います。1回目、2回目とも同じ内容になります。

 <日時>
 1回目 9/8(金) 9:30~12:00
 2回目 9/10(日)13:30~16:00
 <場所>ながの村
 <装備>SRT装備一式(無くても可)、ヘルメット、手袋(軍手で可)

「洞窟測量」講習(講師;石川典彦)

洞窟調査の基本である測量についての講座です。洞窟測量に関して、初級(一般的な洞窟測量)から上級(3D測量)の知識を学んでいただきます。
時間があれば、初心者向けにコンパスの扱いの実習をしたいと思います。

 <日時>9/10(日)13:30~16:30
 <場所>ながの村
 <装備>特になし

10. 公開講演会「世界が認める『幻の鍾乳洞』の魅力」(参加無料)

<日時>9/9(土)14:30~16:30
<場所>総合交流センターじんせきの里

  ○横山 英揮(元永野を考える会)
   「町おこしと鍾乳洞」
   幻の鍾乳洞(再)発見の経緯や保護活動を通じた町おこし活動についてお話します。

  ○吉村 和久(九州大学名誉教授)
   「幻の鍾乳洞の科学よもやま話」
   幻の鍾乳洞には国内の鍾乳洞ではなかなかお目にかかれない鉱物でできた鍾乳石があります。
   どのようなものか、なぜここにあるのかなどの不思議を解明するための研究成果とともに、幻の鍾乳洞にまつわるいろいろな話をします。
   実験もお見せする予定です。

  ○後藤 聡(アジア洞窟学連合副会長)
   「幻の鍾乳洞の価値」
   幻の鍾乳洞には日本では極めて珍しい曲がりくねった鍾乳石や針状の形をした鍾乳石があります。
   これは世界を見渡しても、やはり一部の洞窟にしかなく厳しく保護されています。
   幻の鍾乳洞と世界の洞窟を比較しつつ、幻の鍾乳洞が日本にあることの魅力をお話しします。

講演会ポスター画像

PDFはこちらからご覧ください。

11. 交流会

9/9(土)19:00~ ながの村において地元の方も交えた交流会を開催予定です。
神石牛をはじめとした地元の食材を用いた料理をビュッフェ形式で提供します。
地元有志のみなさんにご準備していただく都合上、参加者数を予めお伝えする必要があります。
会費は8/20(日)までに申し込みを済ませた場合は5,000円ですが、8/21以降の申し込みは6,000円になります。参加費は当日徴収します。

12. 宿泊について

帝釈峡は観光地につきホテル等宿泊施設は多数ありますが、観光地につき値段は高めです。宿泊は各自にて早めのご予約をお勧めします。なお、希望者はシュラフ持参の方のみふれあいセンターながの村(神石高原町永野2549-1、講習会、交流会会場)を宿所として使用できます。宿泊希望者は8/20(日)までにこちらより申し込みを行ってください。宿泊可能日は9/7(木)、8日(金)、10日(土)の夜です。畳敷きの複数の部屋に宿泊する形となります。相部屋になりますので、コロナ等感染症が気になる方は各自でホテル等を予約して利用してください。
ながの村周辺には食事をする場所、コンビニ等はありません。お風呂、冷蔵庫、電子レンジ、食器、炊飯器、電気ポットはありますが、調理器具とシュラフは持参してください。

ご参考;会場周辺の宿泊施設(6/30現在の料金、詳細は各自でご確認ください。)
休暇村帝釈峡
庄原市東城町三坂962-1、Tel. 08477-2-3110、13,000円~

帝釈峡観光ホテル錦彩館
広島県庄原市東城町三坂526、Tel. 08477-2-2393、19,800円~

帝釈峡観光ホテル養浩荘
広島県庄原市東城町三坂922-1、Tel. 08477-2-4100、6,325円~

帝釈峡スコラ高原荘
広島県神石郡神石高原町相渡2167、Tel. 0847-86-0535、7,980円~

角屋旅館
広島県庄原市東城町帝釈未渡2103、Tel. 08477-6-0005、13,000円~

光信寺の湯 ゆっくら
広島県神石郡神石高原町光信58-1、Tel. 0847-85-4000、4,200円~

13. 会場までのアクセス

公共交通機関はありません。運転に気を付けて自家用車、レンタカー等でお越しください。

ご参考;会場までの主なルート
<中国自動車東城ICから>
東城ICから国道182号線に出ます。まもなく県道25号線に入りますので、そのまま道なりに走るとじんせきの里に到着します。所要時間は20分前後です。
<広島空港から>
県道49号線に入りそのまま直進し、国道432号線に入ります。上下町交差点で右折して県道27号線に入ります。しばらくして左折し、県道25号線に入ります。そのまま道なりに走るとじんせきの里に到着します。所要時間は約1時間半です。
<福山から>
国道182号線を北上します。シルトピア油木(神石高原町図書館)の手前で左折し、広域農道に出ます。広域農道を直進し、突き当りまで行くと県道415号線に出ます。突き当りを右折してしばらく走ると県道25号線に出ますので左折すると間もなくじんせきの里に到着します。所要時間は約1時間半です。なお、広域農道はしっかりした道路ですが、カーブもアップダウンも激しいので運転に自信がない方は国道182号線を北上して東城まで出てください。東城から県道25号線に入れば会場に到着します。東城経由の場合、所要時間は約2時間です。