日本洞窟学会第30回大会(平尾台大会)
2004年8月19日(木)~22日(日)、福岡県平尾台において、日本洞窟学会第30回大会(平尾台大会)が開催されました。
大会期間中は幸い台風の合間で天候に恵まれ、全国からの参加者、また韓国から21名、ハンガリーから3名の参加者もあり、国際色豊かな大会となりました。参加登録者数は約200名で、公開行事(無料)参加者を含む三日間ののべ人数は1000名を越えました。新道寺小学校平尾分校、福岡県平尾台自然観察センター、北九州市平尾台自然の郷を主会場として、事故もなく盛りだくさんの行事が実施されました。
講演会として、学術講演21件、洞窟学シンポジウム「日本に洞窟ヒストプラズマ症はあるか?」、公開記念講演「ハンガリーのカルストと洞窟」、公開シンポジウム「やま・みず・どうくつ・いきものたち‐平尾台カルストの自然保護と環境教育」、16コースの洞窟学講習・洞窟探検のほか、洞窟映像ショーや洞窟事故救助公開模擬訓練、ヒストプラズマ症調査採血などです。
詳しい大会報告、講演要旨は日本洞窟学会から「ケイビング・ジャーナル」の大会特集号として発行される予定です。来年度の大会は、関西地域での開催を予定しています。
平尾台大会実行委員長 浦田健作
<行事概要>
●日本洞窟学会第29回学術講演会 8月20日(金)
こちら
●洞窟学講習・洞窟探検 8月21日(土)
1 カルスト地形学講習 講師:岡本 透(森林総合研究所) 参加者3名
2 カルスト地球化学講習 講師:吉村和久(九州大理学部) 参加者5名
3 カルスト水文学講習 講師:井倉洋二(鹿児島大農学部) 中止
4 洞窟地質学・地形学講習 講師:浦田健作(東京都立大理学部) 参加者6名
5 洞窟生物学講習 講師:曽根信三郎(バイエルン) 参加者12名
6 洞窟古生物学講習 講師:中川良平(京都大理学部) 参加者5名
7 洞窟考古学・歴史学・民俗学講習 講師:長嶺正秀(苅田町町史編纂室) 中止
8 花崗岩洞窟学講習 講師:藤井厚志(いのちのたび博物館) 参加者4名
9 カルスト自然散策 講師:梶屋 博(平尾台自然観察センター) 中止
10 洞窟写真講習 講師:後藤 聡(東京スペレオクラブ)・石原与四郎(福岡大理学部) 参加者6名
11 洞窟測量講習 講師:石川典彦(国土地理院) 参加者3名
12 初心者の竪穴講習 講師:田中顕治(九州大探検会) 中止
13 目白洞(上級コース) 案内者:田中京子(九州大探検部)ほか2名 参加者10名
14 目白洞(中級コース) 案内者:藤井 悟(平尾台自然観察センター)ほか4名参加者9名
15 不動洞(中級コース) 案内者:石田登喜男(平尾台自然観察センター・ボランティア)ほか4名 参加者12名
16 青龍窟(上級コース) 案内者:水之浦聡(九州大探検部)ほか2名 参加者11名
17 青龍窟(中級コース) 案内者:松本高志(青龍クラブ)ほか1名 参加者9名
18 広谷の穴(上級コース) 中止
19 雷神洞(上級コース) 案内者:馬場慎也(九州大探検部)ほか2名 参加者9名
20 初心者のための洞窟探検(青龍窟) 案内者:田中孝宜(カマネコ探検隊)ほか11名 参加者33名
●公開行事 8月22日(日)
1)記念講演会 「ハンガリーのカルストと洞窟」
座長:浦田健作(東京都立大理学部)・岡本 透(森林総合研究所)
講師:ラースロ・ザンボ(ハンガリー、エオトバス・ローランド大理学部)
2)公開シンポジウム 「やま・みず・どうくつ・いきものたち-平尾台カルストの自然保護と環境教育」
座長:染谷 孝(佐賀大農学部)
講師:
宗 正憲(福岡県平尾台自然観察センター):平尾台の自然観察と保護への取り組み
久下洋一(北九州市平尾台自然の郷):環境体験自然公園への取り組み
吉野了嗣(NPO法人ひらおだい自然塾):平尾台に新しい学校をつくる取り組み
藤井厚志(いのちのたび博物館):平尾台はどのようにしてできてきたのか?
平尾台の地学的自然環境の特徴?
浦田健作(東京都立大学理学部):平尾台の人文環境の特徴