洞窟救助訓練

in 秋吉台


 夏に行われる「日本洞窟学会 秋吉台大会 in 1999」で行なわれる、 洞窟救助講習で使用する洞窟の選定と準備を主目的に行った。2つの洞窟を偵察し、 救助講習を行う事を想定した訓練を行った。救助技術はフランスのSSFで採用されている手法を使用した。
 参加者は江戸川ケイビングクラブ、亀戸ケイビングクラブ、杏林大学フィールドアドベンチャークラブ、 山口大学洞穴研究会、Speleo Extremerなどから延べ10名である。

急坂の担架の運搬。担架が落ちな
いようにロープで確保すると同時
に、容易に持ち上げられるよう、
確保ロープをプーリーを介して人
の体重をかけるカウンターウェイ
ト法を使用している
人が持ち運ぶには足元が安定して
いない急登やトレンチでは、スロ
ープチロリアンブリッジを張って
担架を運ぶ。
左図:時としてチロリアンブリッジにデーヴィエイション
   (針路変更)を行う事がある。奥の天井部にデーヴ
    ィエイションが見える
下図:担架はチロリアンブリッジ上を吊るされて運ばれる
   チロリアンブリッジへはプーリーと7mmコードで吊
   るされ7mmコードはイタリアンヒッチとクラブヒッチ
   でカラビナに結ばれている

上図:6mほどの垂直の竪穴を引き上げる準備をしている
   ところ。3つのハンガーから流動分散を用いて作成
   した支点に大型プーリーが取り付けられている。
   この支点には4kN(400Kg)にも達することのある力
   がかかることがある。
右図:担架を垂直に引き上げているところ。カウンター
   ウェイトシステムを使用している。最も上にいる
   人が引き上げの速度や方向のコントロールを一人
   で行っている。上から2番目の人はカウンターウェ
   イトで、ピット上部のプーリーを介して担架と釣
   り合いをとっている。

下図:担架を水平に釣り上げる方法。シンプル・ストレ
   ッチャー・バランス・システムと呼ばれる。担架
   の角度を水平から垂直まで任意に変更できる。
左図:ピッチヘッドでの引き込み作業。担架をピッチヘ
   ッドまで垂直に持ち上げた後、水平に引っ張り、
   安全な床のある位置まで担架を移動させる。

左図:担架をチロリアンブリッジに載せるために7mm
   コードで引き上げているところ。チロリアン側
   のカラビナにはイタリアンヒッチでコードが結
   ばれていて、そのロープの末端に体重をかけて
   引き下げながら担架を持ち上げると、少ない力
   で容易に担架が持ち上げられる。
上図:担架を水平に移動しているところ。チロリアン
   ブリッジに載せてしまえば小人数で容易かつ安
   全に素早く移動させる事ができる
左図:大きな落盤が転がっている地帯を運んでいると
   ころ。岩の間は数mの深さがあるなど、ロープ
   による転落防止のサポートがなくては、足場が
   悪い場所では担架を運べない。担架を持たない
   通常のケイビングでは容易に通過できる場所も
   大きな障害となることが多々ある。
下図:手前のチロリアンブリッジと交差する、別のチ
   ロリアンブリッジへ担架を移し替えているとこ
   ろ。深いクラックがあったり大きな落石がある、
   滑りやすい斜面などでは頻繁にチロリアンブリ
   ッジが使われ、その間を載せ変えながら進む事
   がある。

撮影:後藤聡、石原与四郎


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