日本でケイビングを行っていた団体、現在も活動中の団体のリスト、及びリンク集。
日本洞窟学会設立以前の団体も含めてリストアップしているため、大半の団体は現在活動をしていないが、このリストはある面、日本のケイビング史を表していると考える。

  • 一般ケイビング団体[地域別、活動の古い団体順]:団体名の後の(県名)は団体の所在県名か代表者の所在県。実際に活動するカルスト地域や日常のミーティングなど事務関係の拠点とは異なる場合がある。
  • 大学・高校のケイビング団体 [地域別、五十音順]
  • 特定分野のケイビング関連団体・組織

に分けて掲載した。
古い団体は、当然インターネット以前なのでHPはなく、また新しい団体でもリンク先のWebページに洞窟関連の情報が無い場合もある。なお、Webページ内容に不法行為(不法入洞・破壊行為など)の記載が見受けられた場合には掲載していない。

学会が定期的な活動を確認している団体には*印をつけた。(2023年現在)

出典は、日本洞窟学会(Caving Journal)、日本ケイビング協会(Japan Caving)、日本洞窟協会(洞人)の名簿や印刷物からピックアップしたもので、「奥多摩通信」34号(1987.1.13)に水島 明夫が発表した物がベースである。日本のケイビング史の中で、「一つの記録」としてご覧いただきたい。

一般ケイビング団体

社会人中心に構成されている団体。実質的に活動休止している団体も多い。また、団体間の人的交流も多く、複数のクラブに入会している人も多い。

北海道・東北地方
団体名活動中心地域活動あり概要
盛岡グアノ会岩手県岩手高校ケイビング同好会のOB等が結成。岩泉・安家で活動。愁麗洞の発見調査を行なう。
THE AKKA SOCIETY岩手県岩手県を活動の中心とする大学探検部のメンバーが集まって活動。合同合宿の実施により、内間木洞や安家地区の洞窟の解明がされた。以降JCC/Japan Cavers Clubに発展。
あだち同好会福島県1970年代の大滝根-あぶくま洞調査を契機に活動していた、地元の安達高校地学部関係者からなる社会人団体。
東山ケイビングクラブ岩手県岩手全域で活発に活動しているクラブ。数多くの報告書を発行している。遺跡関係にも強い。
あぶくま・けぃばぁす・くらぶ 福島県立石の大穴をホームグラウンドとするケイビングクラブ。東北地方で主に活動している。化石関係に強い。
関東地方
団体名活動中心地域活動あり概要
洞窟探検隊茨城県詳細不明
ひねもす探険隊群馬県群馬県を中心に活動しているクラブ。洞窟以外の活動も多い。
パイオニアケイビングクラブ(P.C.C.)埼玉県 * 埼玉秩父地方を中心に盛んに活動している団体で、新洞窟探査を得意分野とするクラブ。
千葉洞穴研究会千葉県関東地方中心に活動。小袖鍾乳洞群の調査報告がある。
東京ケイビングクラブ東京都ケイビング黎明期の1960年代に活動。関東地方の竪穴を探検調査。
もぐらケイビングクラブ東京都主なフィールドは関東の洞穴で、秋芳洞でケイブダイビングをするなど、先鋭的にケイビングをしていた集団。
地学団体研究会阿哲台、帝釈峡、岐阜県、関東、福島の調査を行ない、独自の形成論を出した。
武蔵丘洞穴研究会東京都1968年、高校生が設立。関東地方の洞窟の調査と並行して、日本ケイビング協会関東支部の活動を手掛ける。
三鷹ケイビングクラブ東京都東京三鷹の中学生が結成。奥多摩で調査測量を実施。
東京洞穴研究会(T.D.K.)東京都 * 1970年に設立された団体。奥多摩を中心とした活動を行っており、日原三又洞の調査・報告が有名。また日原川流域洞穴調査を主催した。
桃ノ木ケイビングクラブ東京都安家の桃ノ木洞で活動していた千葉大学探検部のOBで結成。岩泉の合同合宿に参加。
奥多摩ケイビングクラブ東京都専修大学探検部OBで結成。
五藤ケイビングクラブ東京都プラネタリウムで有名な五藤光学の社員で結成。奥多摩を中心に活動。
日本たて穴探検会東京都たて穴に特化した団体。探検部や団体の壁を越えて横断的な組織。団体としての活動はないが個人で合同合宿に参加。会報の「求穴鬼」は先鋭的。
Japan Cavers ClubⅡ(JCCⅡ)東京都岩手県の安家を中心に、精力的に活動をしていた。各大学探検部への影響も大きく、その業績は大きい物があった。
洞窟学研究会  東京都 * 旧長門ケイビングクラブ。不朽の名著「素晴らしき地底の世界」を出版。日本の竪穴調査、洞窟成因論などに多大な影響を残した。
江戸川ケイビングクラブ東京都韓国やマレーシアなどを含む、国内外全域で活動していた。
White Field Cave Explores東京都1983年頃、大学探検部から離れた学生からなるケイビング団体。かなりマニアックな集団で、後にJapan SRT Projectに繋がる。
NPO法人日本洞穴探検協会(JACE)東京都 * THE AKKA SOCIETYを母体に、Japan Cavers Clubを経て結成された。1990年代から現在に至るまで、岩手、福島、埼玉を中心に活動。
Japan Cavers ClubⅢ(JCCⅢ)東京都 * 岩手の龍泉洞、氷渡洞、安家洞、相良八郎の穴等でケイブダイビングで新洞を発見。
亀戸ケイビングクラブ東京都関東地方、南西諸島での活動が中心のクラブ。
地底旅団ROVER元老院  東京都 * 1997年結成。関東中心に活動しているクラブ。スカウト活動にも詳しく、初心者向けの体験ケイビングをおこなっている。
東京スペレオクラブ  東京都 * 2000年結成。東北から関西圏まで盛んな活動を行っている団体。海外にも強い。初心者向けの体験ケイビングを頻繁に行っている。
TUCG/東京洞窟潜水研究協会東京都 * 洞窟潜水が名称にあるが、関東の水穴以外の洞窟、富士山の熔岩洞などでも活動している。
横消Caving Club神奈川県詳細不明
地球クラブ神奈川県 * 熔岩洞からスタートした団体、「ケイビング入門とガイド」など洞窟の普及に貢献する出版物も多数。 
神奈川中央ケイビングクラブ神奈川県1987年頃、神奈川在住の各大学探検部関係者が集まって作られた社会人団体。奥多摩を中心に各地で合同合宿をしていた。
湘南ケイビングクラブ神奈川県1988年、神奈川県は湘南在住のケイバーからなる社会人団体。奥多摩岳だけなく関東一帯が対象エリア。
NTC洞窟探検隊神奈川県
横濱ケイビングクラブ  神奈川県 * 旧湘南ケイビングクラブが発展。関東、沖永良部の洞窟を中心に活動。
中部地方
団体名活動中心地域活動あり概要
中部洞窟研究会詳細不明
岐阜ケイビングクラブ岐阜県ケイビング黎明期に、岐阜熊石洞を踏破し探検調査を行なった。
名古屋ケイビングクラブ愛知県詳細不明
美術文化史集談会愛知県1960~70年代に洞窟考古学的観点から、岐阜、三遠の洞窟を調査、報告。会誌「びぞん」は国会図書館で閲覧できる。
三遠 洞くつ研究会愛知県三遠地方の石灰洞だけでなくいろいろな洞窟を、盛んに記録、報告していた。
浜松ケービングクラブ静岡県三遠地方を中心に活動していた。
Japan Exloration Team(J.E.T)愛知県 * 1996年に浜松ケービングクラブから派生して結成される。国内・海外で活発に活動している。初心者向けの体験ケイビングやSRT講習も行っている。
関西地方
団体名活動中心地域活動あり概要
ひみず会滋賀県1987年、次々と新洞部分が発見される河内の風穴。調査を継続させようと「多賀町の石灰洞」に関係した関西、関東のケイバーが集まって作られた団体。河内の風穴の測量は、まだ終わっていない。
コンパス・ケイビング・ユニット京都府2001年頃から「洞窟に文化的アプローチを」をスタンスに洞窟の探検と測量、地図製作、洞窟表現を行っていた団体。現在はほぼ休止中。
Super Caving Attack Team京都府詳細不明
中国・四国地方
団体名活動中心地域活動あり概要
岡山洞穴研究会岡山県日本有数のカルスト台地で、巨大で美しい穴が多い阿哲台を中心に測量、記載活動をしていた。
ウルトラケイビングクラブ岡山県詳細不明
阿哲倶楽部岡山県詳細不明
吉備ケイビングクラブ岡山県詳細不明
うきぐもケイビングクラブ 岡山県岡山はじめ西日本を中心に活動。2015年頃からの比較的新しい団体。
山口ケイビングクラブ山口県秋吉台科学博物館の外殻団体、個別のサークルではなく秋吉台のケイビングに関わる団体。秋吉台ケイビング集会、洞窟講演会を毎年開催している。
こうもり会山口県秋吉台を中心に活動。初の海外遠征を行なう。
長門ケイビングクラブ山口県下関の高校生が中心になって結成。秋吉台で鷹ヶ穴を始めとする幾つもの洞窟を発見。新潟マイコミ平で国内最深の竪穴白蓮洞の調査を行なう。以降、洞窟学研究会に発展。
九州・沖縄地方
団体名活動中心地域活動あり概要
北九州ケイビングクラブ福岡県平尾台の洞窟を次々に測量、発表した、高校サークル出身の社会人団体だった。
小倉刑務所山岳部探検班福岡県警察の職場仲間が、ケイビング黎明期に平尾台で活動。独自のワイヤーハシゴを制作していたが、雪の平尾台で足を滑らし、-70mの滑落死亡事故が。
洞穴科学調査会(S.R.A.)福岡県複数の大学探検部経験者からなる団体、各大学探検部との合同調査を通して、洞窟測量を含む洞窟記載、SRTテクニックなどを拡げた。
Voluntary Cavers Society(V.C.S.)1980年代、平尾台を中心に活動していた。後にカマネコ探検隊に発展。
NAN・NAN COMPANY1985年、戸畑高校地学部OBたちが、平尾台を中心に活動していた。
カマネコ探検隊福岡県平尾台を中心に活動しているクラブ。洞窟以外の活動も多い。
西日本洞窟潜水研究会福岡県秋吉台など西日本での洞窟調査が活動の中心となっている団体で、洞窟潜水による調査を精力的におこなっている。
熊本洞穴研究会熊本県熊本と名が付くが九州全体の石灰洞、熔岩洞などを洞窟生物を中心に調査、記録、紹介した。
Wild Bats熊本県年配の洞窟愛好家集団。日本では珍しい学生出身ではないケイバー集団。九州全域の洞窟で活動していた。
沖縄県ケイビング協会沖縄県沖縄県を中心に活動している。

大学・高校のケイビング団体

地域別に五十音順に列記した。HPのある団体は下線部をクリックして下さい。
ただし、年度が変わり代替わりするとほとんど活動しなくなる団体もあり、ケイビングを過去に行っていたと思われる団体が多数含まれている。洞窟で活動しているのを見たことがある、聞いたことがあるという程度の情報の場合もあるため、大学、団体名称が多少異なっていたり、現在は存在しない団体もある。

〇の付いている連盟は、その地域のケイビング関連団体が集まった組織で、不定期に連絡会などが開かれている。

北海道・東北地方
関東地方
  • 青山学院大学探検部
  • 麻布大学探検部
  • 亜細亜大学探検部
  • お茶の水大学探検部
  • 神奈川大学アドベンチャークラブ
  • 神奈川大学探検部
  • 埼玉県立川越高校探検隊
  • 関東学院大学探検部
  • 学習院大学探検部
  • 北里大学探検部
  • 杏林大学フィールドアドベンチャークラブ
  • 慶応義塾大学探検部
  • 工学院大学探検部
  • 国際基督教大学探検部
  • 駒沢大学アドベンチャークラブ
  • 駒澤大学ケイビングクラブ
  • 駒沢大学探検部
  • 埼玉県立秩父農工高校地学部
  • 芝浦工業大学探検部
  • 上智大学探検部
  • 成蹊大学アウトドアクラブ
  • 専修大学自然探索愛好会
  • 専修大学探検同好会
  • 大正大学探検部
  • 拓殖大学探検部
  • 玉川大学探検部
  • 中央大学ケイビングクラブ
  • 中央大学探検部
  • 中央大学秘境研究会
  • 千葉工業大学探検部
  • 千葉大学探検部
  • 筑波大学探険部
  • 津田塾大学探検部
  • 帝京高校探検部
  • 帝京大学探検部
  • 東海大学探検会
  • 東京学芸大学探検部
  • 東京大学学術調査探検部
  • 東京都立大学学術探検部
  • 東京農業大学農友会探検部
  • 東京農工大学探検部
  • 東京理科大学探検部ROVERS
  • 東洋大学探検部
  • 獨協大学愛好会アドベンチャークラブ
  • 獨協大学学術探検部
  • 東京都立石神井ろう学校洞穴クラブ
  • 東京都立神代高校地学部
  • 日本大学 探検部
  • 日本大学ムヂナ会
  • 一橋大学探検部
  • 法政大学探検部
  • 法政大学地学会
  • 法政大学工学部探検部
  • 明治学院大学術探検会
  • 明治大学地底研究部
  • 明治大学付属中野中学・高校 地学部
  • 明治大学探検部
  • 横浜国立大学探検部
  • 横浜市立大学探検部
  • 立教大学探検部
  • 立正大学大学院野外研究グループ
  • 立正大学探検部
  • 和光大学探検部
  • 早稲田大学探検部
  • 早稲田大学秘境探検会
  • ○関東学生探検連盟
中部地方
関西地方
中国・四国地方
九州・沖縄地方
  • 鹿児島大学探検部
  • 北九州大学ワンダーフォーゲル部
  • 九州大学探検部
  • 熊本商科大学探検部
  • 熊本大学探検部
  • 福岡県立小倉高校科学部
  • 佐賀大学探検部
  • 福岡県立戸畑高校地学部
  • 長崎大学探検部
  • 東筑紫学園高校理科部
  • 福岡教育大学探検部
  • 福岡県立八幡中央高校地学部
  • 琉球大学探検部
  • 〇九州探検部連盟

特定分野のケイビング関連団体・組織・WEBサイト

名称概要
NPO法人 火山洞窟学会火山の噴火で出来た洞窟を専門に調査・研究している団体のサイト。日本洞窟学会火山洞窟学部と密接な関係がある。
VINZ洞窟の映像をハイビジョンカメラなどで撮影し作品制作を主とするアーティストチーム。
Japan SRT Project1989年White Field Cave Exploresから発展し、SRTの技術普及に特化した、日本で初のケイビング団体。機関誌Deepの発行から1995年SRTの教科書『Single Rope Techniques in Japan2』の発行に。
Caving Information Centre 「ケイビング情報in九州」スタートは日本洞窟協会九州支部だったが、後に日本全国のケイビング情報を集めて、普及しはじめたコピー機を使って簡易発行、情報の気軽さと新鮮さで日本のケイビング界を刷新した。1983年(No.1)~1990年(No.28)まで発行された。
関東の不特定洞窟団体 「奥多摩通信」スタートは東京洞穴研究会が中心で、平尾台などで合同調査をすることが多かった関東の探検部やケイビングクラブが集まり、奥多摩石灰洞群記載合同調査を始めた。第3回から奥多摩通信3号に改められ、月1回新宿の喫茶店に集まり、持参した報告を即コピー、参加団体に配布された。1983年(第1号)~1992年(第90号?)
近畿圏の洞くつ・日本の海食洞(洞穴科学調査会・須佐見吉生編集)近畿地方2府6県の洞窟を網羅したリストのあるサイト
峰林ケイブプロジェクト(東京スペレオクラブ)過去に行った日中国合同洞窟調査の紹介を行っているサイト